小松さんのお魚豆知識

横浜中央卸売市場の水産仲卸「魚屋勝五郎商店」のブログです。当社の寿司職人小松さんが、便利なマメ知識を教えてくれるブログです。

万能漬けダレ【保存版】

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万能漬けダレ

 

色々と活用出来る、「万能漬けダレ」

作り置きして常備して置くと非常に便利ですよ!

 

 

▼材料

濃口醤油  1   (例100cc)

味醂    1   (例100cc)

酒     1   (例100cc)

酒とみりんを鍋に入れて火をつけてアルコールを飛ばしたら醤油と混ぜ合わせたら出来上がりです。

1:1:1の割合です。覚えやすいですね! 

 

 【漬けダレ 応用編 ①漬け】

 

▼マグロの漬け

ベースのタレ 大さじ3、醤油 小さじ1

 

白身魚や鯵の漬け

ベースのタレ 大さじ3、出汁 大さじ1

(カツオの出汁の代わりに、ほんだしの顆粒を水でといても良いでしょう)

 

▼ごまサバやごまカンパチ

ベースのタレ 大さじ3、ねりごま 小さじ1/2、すりごま 小さじ1/2

(ねりごまが無い時はすりごまを大さじ1)

 

▼ごま真鯛

ごまサバのベースに出汁を大さじ1

 

イクラの漬けダレ

ベースのタレ 大さじ4、出汁 大さじ1

 

 

 【漬けダレ 応用編 ②焼き物】

 

▼ブリ照り焼き、鳥の照り焼き、豚のロースの照り焼きなど

タレはそのまま利用します。

<ブリ照り焼き・レシピ例>

①軽く塩をして10分ほどしたら水洗いしてキッチンペーパーで水気を拭き取ります。

②ぶりに片栗粉を薄くまぶし、フライパンに油を入れて火にかけ、ブリを入れて両面を焼き色が着くまで焼いたら、タレを入れて、フライパンを回しながら照りが着くまで焼きます。

③ある程度照りが付いたら、一度ブリを取り出してタレだけを最後に仕上げで煮詰めて上に掛けましょう。

※最後迄フライパンで仕上げるとゴケてしまうのと味が濃くなりますので、少しとろみが着いて色付いたら取り出し仕上げましょう。

 ※鳥の照り焼きと豚のロースの照り焼きなどにも、同じやり方で出来ます。

 

▼幽庵焼きのタレ

タレはそのまま利用します。

①ベースのタレ100ccに柚子の輪切り(5mm位)1枚を入れて、半日から1日漬け込みます。

②1日漬けたら魚をタレから取り出して、焼きます。

※魚はカンパチ、ブリ、サワラ、サバマグロ等少し油がある物と相性が良いです。

鳥でも良いです。その他野菜炒めなどにも味をお好みで調整してみて下さい。

 

 

あさり(ハマグリ)の砂抜き

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売られているあさり(ハマグリ)は砂抜きしてある場合もありますが、出来ればご自宅で再度砂抜きする事をおすすめします。

 

①バットに、水200cc・塩小さじ1杯(6〜7g)を入れて(塩分3%が目安です)、良くかき混ぜます。

 

②あさり(ハマグリ)を入れて2〜3時間つけて砂を吐かせた後に、貝殻同士をよく擦り合わせて流水で洗います。

※室温が高い時は冷蔵庫に入れて、砂抜きをして下さい。

 

貝は、鮮度が大切ですので、出来るだけ新鮮なものを購入して下さいね。

購入された貝が、もし良くなかった時は、口が空いている(生きていない)貝を取り除いてから砂抜きして下さい。

また、直ぐに調理出来なかった時には、海水に入れたまま冷蔵庫に入れて大丈夫ですが、冷やし過ぎると貝が死んでしまいますので、野菜室があれば野菜室に入れるのがおすすめです。

さらに翌日の調理も難しい場合は、砂抜きした後に擦り洗いしてから、水気をしっかりふき取って、冷凍庫で保管することができます。

ただし、いずれも新鮮な貝の場合ですので、鮮度の良い貝を選ぶか、選ぶのが難しい場合は、信頼できるお店で購入されると良いですよ!

 

貝類の旬は、春が多いです。
アサリもハマグリも今が1番美味しい時期ですので是非召し上がって下さい。

 

包丁のお手入れってどうすればよいですか?

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研ぐ頻度は包丁の使用頻度に比例しますので、一概には言えませんが、出来る限りマメにお手入れをして下さい。
切れ味の悪い包丁は食材の繊維を壊し、水分とともに旨味や栄養を流し出してしまいます。包丁で味が変わりますよ!

<ステンレスの場合>
砥石がよいですが、初めての方には大変ですので、刃物を研ぐのが始めての人でも使いやすいシャープナーという道具がオススメです。価格も1,000円~とお手頃です。

<鋼(鉄)の場合>
砥石で研いでください。
砥石は、①荒砥石 ②中砥石 ③仕上げ砥石 がありますが、ご家庭で使われるには、中砥石(なかと)のみで大丈夫です。

※鋼の包丁は錆びやすいので、水分が付いたままや魚の身や切りクズが付いたままだと錆びてしまいます。こまめに拭き取り切り、終わったら直ぐに水洗いして、乾いたふきんで拭いて濡れない場所に置きましょう。
錆びてしまうと包丁が錆び臭くなって魚に臭いが
付くので、面倒くさがらずにこまめなお手入れしてください。


<研ぐ頻度について>
ステンレスも鋼も、使ったら都度、研ぎましょう。
難しい場合は、ステンレスは週1回の休日に、鋼は3回使ったら研ぎましょう。
「使ったらお手入れをする!」を心がけましょう!

 

魚の血合いは、どうしたらキレイに取り除けますか?

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ささら 代用

 

魚の下処理で大切なのは、ぬめり、内臓・血合いをしっかり取り除くことです。

忘れられがちな血合いは、雑菌が増えやすく、臭みの原因となりますので、きれいに取りましょう!

 

血合いを取るには、「竹ささら」という道具があります。鍋を洗ったりする時にも使う道具です。

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竹ささら

こちらで取り除くのも良いですが、わざわざ買わなくても、竹串を5~6本輪ゴムで束ねて代用することができます。小さなお魚はむしろこちらの方が取りやすく、オススメですよ!

お魚さばきたい! 最初に何を揃えたらいいですか?

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上:柳刃包丁 下:出刃包丁

包丁で、お魚を捌く楽しさが変わります!

下記ご参考にぜひ、ご自身に合った包丁を見つけて、どんどんお魚を捌いて下さい!

 

 

必要なのは、①出刃包丁、②柳刃包丁、③骨抜き です。

 

<出刃包丁>

魚をさばくための包丁で、刃がとても分厚く重たく作られています。硬いものを切るのに適していて、固い魚の骨を切り落とすことができます。

 

柳刃包丁

お刺身の柵を切る際に活躍する包丁です。お刺身はご存じの通り、引きながら切りますが、柳刃包丁は刃渡りが長いので一回で切れます。

断面が綺麗に仕上がるだけではく、引いて切ることで、魚の断面の繊維がつぶれず、魚の水分が外に出ず、また余計な水分を吸収することがありません。味の差は歴然ですよ。

 

<包丁の素材について>

鉄(鋼)とステンレスがあります。

鉄(鋼)は、切れ味が抜群で、重さがあるため、力をたくさん加えなくても、楽に魚を切ることができますが、適切に手入れをしなければすぐにさびてしまう、というデメリットがあります。

ステンレスは、ほとんどさびることがなく、お手入れが簡単ですが、鉄(鋼)に比べて切れ味が劣ります。

最初は、お手入れが楽なステンレスが良いかもしれません。

 

<サイズについて>

最初は、

〇出刃包丁 刃の長さ18~21cm前後

柳刃包丁 刃の長さ21~24cm前後 位のサイズがおすすめです。

 

<骨抜き>

500円前後くらいのものであれば、問題なく使えます。

 

<あとあると便利なもの>

それは、キッチンハサミと、うろこ取りです。

ウロコを取る時、ひれで手を切ってしまうことがあります。事前に背ひれをカットしておくと、切り傷防止になります。また、最初の頃は包丁でカットしずらい部分を、キッチンハサミでカットするのも手です。

高いものではなくて、1000円以内のもので十分ですよ。

うろこ取りは、ペットボトルのフタなどでも代用できますが、やはり専用のうろこ取りが便利です。1000円程度で購入できます。オールステンレスは食洗器で洗えて衛生的です。

 

 

捌いたお魚はどうやって冷蔵庫に保管すればよいですか?

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上:刺身用の柵 右下:漬け 左下:アラ

お魚が届いたら、出来るだけ早いタイミングで、うろこを取り、内臓を出して、血合いを洗って、水気やぬめりをしっかりふき取ること。それが鮮度を保つ上で一番大切な事です。※鮮度を落とす原因は、余分な水分とぬめりです。

 

その後は、魚の種類によりますが、

当日中に食べるお刺身などは、キッチンペーパーで包んでラップを空気が入らないように、しっかり包みます。

もし、余りそうなお刺身があったら、漬けにしてビニール袋に入れて、なるべく早めにお召し上がり下さい。

アラや、煮魚用の切り身にしたものも同様に、水気をしっかりふき取った後、キッチンペーパーに包みラップでしっかり包みます。

 

写真のように、バットに種類ごとに分けておいて、冷蔵庫に入れると便利です。

バットがない場合は、ラップをした後にビニール袋に入れて保存すると、魚の匂いや水分が出ても安心です。